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セキュリティ ・ 脅威インテリジェンス

巡回しているクローラー紹介

攻撃とは異なり、身元を明かして正規に巡回しているクローラー・調査ボットを、実際のログから観測した挙動とあわせて一覧化しました。

正規クローラー多数 AI検索エンジンも巡回中 robots.txt / sitemap.xml 対応済み

「攻撃」との違い

ここで紹介するアクセスは、攻撃ランキングで扱った悪意あるスキャンとは性質が異なります。User-Agentで身元を明かし、robots.txtに従い、存在しないファイルを執拗に探すような挙動もありません。検索エンジンのインデックス登録や、AIサービスの情報収集・技術調査が目的です。

目次

  1. 第1章:検索エンジン・AIクローラー
  2. 第2章:無害な調査系スキャナー
  3. 第3章:正規クローラーを誤ってBANしないための設定
  4. 第4章:総括

第1章:検索エンジン・AIクローラー

本サイトを継続的に巡回している、身元の明らかなクローラーです。AI検索エンジン各社からも定期的にアクセスがあります。

クローラー名運営元目的観測した挙動
GooglebotGoogleGoogle検索のインデックス登録ほぼ毎日巡回
GoogleOtherGoogleGoogle内部検索・品質評価用定期的にアクセス
Googlebot-ImageGoogle画像検索用インデックス画像ファイルを取得
ApplebotAppleSiri・Spotlight向け検索robots.txt・トップページを定期取得
OAI-SearchBotOpenAIChatGPT検索機能向けインデックスrobots.txtを正しく取得。今後深い階層を読む可能性が高い
ChatGPT-UserOpenAIChatGPT経由でユーザーが実際に閲覧実際のユーザー閲覧アクセスを確認
ClaudeBotAnthropicAI学習・情報収集技術文書ページを取得
GPTBotOpenAIAIモデル学習用データ収集技術文書ページを取得
PerplexityBotPerplexity AIAI検索エンジン向けインデックスrobots.txtとトップページを取得
DuckDuckBotDuckDuckGoDuckDuckGo検索のインデックス登録定期巡回を確認
newsai/1.0AIニュース要約サービス(推定)技術記事をニュースソースとして利用する可能性まだ浅い階層(トップページ)のみだが、継続クロールに移行しつつある
Google-NotebookLMGoogleAIノートツールでのWebページ取り込み・要約ゼロトラスト関連の最新ページ(ロードマップ・Phase0/1/2等)を集中的に取得。読者が調べ物に活用していると推測
meta-externalagent / facebookexternalhitMetaFacebook等でのリンクプレビュー生成・クロールrockylinux配下のページ群を、補助ファイル(sheet001.htm等)まで含め広範囲に取得
TwitterbotX(旧Twitter)X投稿時のリンクプレビュー生成複数IPからトップページ・robots.txtを取得。誰かがサイトのURLをXに投稿した際に発生

1-1. 大規模なAI学習クロールの実例

一度に200件以上のページを連続で取得していく、大規模なAI学習目的と見られるクロールも確認しています。構築手順のページだけでなく、付随する画像・CSS・補助ページまで丁寧に取得しており、技術文書全体を構造ごと解析しているような挙動でした。サイトへの負荷という点でも問題になるレベルではありません。

1-2. 識別の参考になるUser-Agent

ログから実際に確認したUser-Agentの抜粋です。ご自身のサーバーでクローラーを識別する際の参考にしてください。

クローラーUser-Agent(抜粋)
OAI-SearchBotcompatible; OAI-SearchBot/1.0; +https://openai.com/searchbot
newsai/1.0Chrome/140.0.0.0 newsai/1.0 Safari/537.36
meta-externalagentcompatible; meta-externalagent/1.1 (+https://developers.facebook.com/docs/sharing/webmasters/crawler)
facebookexternalhit(正規)facebookexternalhit/1.1 (+http://www.facebook.com/externalhit_uatext.php)
TwitterbotTwitterbot/1.0

1-3. Chrome Privacy Preserving Prefetch Proxyと検索結果表示の関係

クローラーそのものではありませんが、Googlebotと並んでよく観測するアクセス元にChrome Privacy Preserving Prefetch Proxyがあります。192.178.14.x系のIPレンジから、/.well-known/traffic-adviceへの確認アクセスに続けて対象ページを取得していく挙動です。

これはChromeブラウザが、Google検索結果ページに表示されたリンクをユーザーがクリックする前に、プライバシー保護用のプロキシ経由で先読み(プリフェッチ)する仕組みです。この先読みは基本的に検索結果ページ上にリンクが表示された際に発生するため、このアクセスを観測できていること自体が「本サイトのページが検索結果に表示されている」ことを示す一つの手がかりになります。

ただし、これはあくまで検索結果への表示を示す手がかりであり、実際に閲覧者がそのリンクをクリックしたかどうかまでは分かりません。プリフェッチは表示された時点で先読みが走る仕組みのため、クリックの有無を判断する材料にはならない点に注意が必要です。

第2章:無害な調査系スキャナー

攻撃目的ではなく、インターネット上のサービス実態を調査する目的のスキャナーです。セキュリティ研究機関や企業が、インターネット全体の状況把握のために運用しています。

種類運営元の例目的観測した挙動
技術スタック調査BuiltWithサイトが使用している技術の分析(SEO・市場調査向け)以前はfail2banに誤ってBANされていたが、現在は正常にクロールできている
サイト分析(技術構成・SEO・速度・構造)visionheight.com/scanBuiltWithと同カテゴリのサイト分析深い階層まで構造解析。技術サイトとして登録され始めている可能性
インターネット全体スキャンPalo Alto Networks (Cortex Xpanse)自組織の顧客向け攻撃対象領域(Attack Surface)調査。UserAgentに調査目的を明記無害
インターネット全体スキャンCensys(CensysInspect)TLS/HTTP/セキュリティ構成の実態調査(セキュリティ研究)トップページ・favicon.icoに200で正常応答。継続的に観測
インターネット計測internet-measurement.com学術・研究目的のインターネット計測プロジェクト無害
HTTP on SMTPShadowserver等メールサーバーの誤設定調査無害
SMTPバナー調査クラウド事業者EHLO応答の確認のみ無害
軽度ポートスキャンクラウド事業者公開ポートの存在確認のみ無害
メディアモニタリングtrendiction(ドイツ)メディア分析・検索向けの巡回。UAに連絡先を明記した正規ボット無害

2-1. 識別の参考になるUser-Agent

種類User-Agent(抜粋)
visionheight.com/scanvisionheight.com/scan Mozilla/5.0 ...
BuiltWith固定UAなし(Chrome系ブラウザのUAを使用)
Censys(CensysInspect)Mozilla/5.0 (compatible; CensysInspect/1.1; +https://about.censys.io/)
trendictionbottrendictionbot0.5.0; trendiction search; http://www.trendiction.de/bot

2-2. 身元を明かさない分散型クローラーの実例(2026-08-15)

2026年8月15日未明の3分間、5つの異なるホスティング事業者のIPアドレスから、同一のブラウザ用User-Agent(Firefox)を使って、robots.txtsitemap.xmlに加え.well-known/配下の各種メタデータファイル(セキュリティポリシー、OpenID設定、アプリ連携情報など)やRSS/Atomフィードの存在を網羅的に確認していく挙動を観測しました。並行して実際の技術文書ページも複数閲覧しており、単純な脆弱性探索とは異なります。特定の事業者名を名乗るUser-Agentではなく、複数の送信元IPにまたがって短時間に組織的に行われている点が、本章の他の調査系スキャナーとは異なる特徴です。認証情報や管理画面を狙うような攻撃的な探索は確認されておらず、実害はありません。なお、存在しないファイルへのアクセス数が多かったことから、送信元IPの一部はapache-404の監視ルールにより数時間後に自動的にBANされたことを確認しています。

これらは攻撃ランキングで扱った攻撃とは異なり、脆弱なファイルを探したり、ログイン試行を繰り返したりする挙動はありません。「調べているだけ」で終わっています。

第3章:正規クローラーを誤ってBANしないための設定

Fail2banの「存在しないページへの連続アクセス」を検知する監視ルールは、本来は脆弱性を探すスキャン行為を検知するためのものです。しかし正規のクローラーであっても、サイト構成の変更やリンク切れによって偶発的に404を連発することがあり、そのままでは正規クローラーごと誤ってBANしてしまうことがありました(第2章のBuiltWithが実際にこれで一度BANされた事例です)。

クローラーに限らず、一般の閲覧者側でも同様の問題が起き得ます。ブラウザやOSが裏側で自動的に確認する「よくあるお約束のファイル」(アイコン画像など)をサイト側に用意していないと、その自動確認そのものが404を連発し、閲覧者本人を誤ってBANしてしまうことがあります。この実例は「対策・対応の記録」第4章で紹介しています。

そこでこの監視ルールに限定して、実際にログで継続的な巡回が確認できた、クラウド事業者側が公開・運用している送信元IPレンジを対象外に登録しています。他の監視(明確に悪意ある挙動を検知するルール)にはこの除外を適用していません。あくまで「404を連発しても即座に締め出さない」対象を絞り込んでいるだけで、他の不審な挙動があれば通常どおり遮断されます。User-Agent文字列は誰でも自由に詐称できるため信頼せず、IPアドレスの実態のみで判断する方針にしています。実際に「Googlebot」を名乗りながら実際のGoogle所有アドレスとは異なる送信元から既知の脆弱性パスを探索するアクセスも観測しており、この種の偽装は専用の検知ルールではなく、あくまで前述の「存在しないページへの連続アクセス」を検知する監視ルールが結果的に機能することで遮断される場合があるにとどまります。1回限りのアクセスなど連続404に達しない範囲の偽装は現状すり抜ける可能性がある点は今後の課題です。

第4章:総括

主要な検索エンジン(Google, DuckDuckGo)とAI検索エンジン(OpenAI, Perplexity, Anthropic)の双方から日常的に巡回されている状態です。robots.txtsitemap.xmlを整備したことで、今後さらにクロールの効率が上がることを期待しています。

実際に受けた攻撃の分析は「攻撃ランキング」、多層防御の考え方は「対策・対応の記録」をご覧ください。

クローラー紹介、整理完了 🤖

主要な検索エンジン・AIサービスから巡回されていることを確認できました。

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