目次
1. Cockpitとは?(概要と導入のメリット)
Cockpit は、Webブラウザ経由で複数の Linux サーバーを管理できる公式の「Web管理コンソール」です。
■ 導入のメリット(なぜ使うのか?)
- 「コマンドを忘れても大丈夫」:ネットワーク、ストレージ、ユーザー管理が GUI で完結。
- 「可視化(見える化)」:CPUやメモリの負荷、ディスクの健康状態がグラフで一目瞭然。
- 「ターミナル内蔵」:ブラウザから直接コマンド操作も可能(SSHクライアント不要)。
- 「公式標準」:Red Hat Enterprise Linux 9 / Rocky Linux 9 で標準サポートされており、安定性が高い。
2. 推奨度と利用シーン
| 対象者 | 推奨度 | 利用アドバイス |
|---|---|---|
| コマンド操作に不慣れな場合 | ★★★★★ | 設定ミスを防ぎ、全体像を把握するのに最適。 |
| 管理者・運用担当 | ★★★★☆ | 複数サーバーのログ監視やステータス確認が楽になる。 |
| 学習・検証環境 | ★★★★★ | コマンドの結果がGUIでどう反映されるか学ぶのに便利。 |
| 本番・高セキュリティ環境 | ★★☆☆☆ | セキュリティ上、管理ポートを閉じる判断もあり。 |
3. セットアップ手順(Rocky Linux 9 版)
① サービスの有効化
Cockpit は「ソケット起動」という仕組みを採用しています。必要な時だけ起動するため、メモリ消費が少ないのが特徴です。
有効化と即時起動
sudo systemctl enable --now cockpit.socket
② ファイアウォールの確認
Rocky Linux 9 ではデフォルトで許可されていますが、念のため確認します。
cockpitサービスが許可されているか確認
firewall-cmd --list-services
もし無ければ追加
sudo firewall-cmd --add-service=cockpit --permanent
sudo firewall-cmd --reload
4. ブラウザからのアクセス方法
- URL:
https://<サーバーのIPアドレス>:9090 - 警告の対処:自署名証明書のため「プライバシーエラー」が出ますが、[詳細設定]→[続行]をクリックして進みます。
- ログイン:Rocky Linux に作成済みの一般ユーザーまたは root でログインします。
ポイント:管理アクセス権の許可
「管理アクセス権の許可」にチェックを入れてログインすると、sudo権限での操作が可能になります。
5. 主要機能パーフェクト・ガイド
| 機能名 | 実務での活用例 |
|---|---|
| 概要(Dashboard) | サーバーの負荷状況をグラフで監視。ホスト名の変更もここから。 |
| ログ(Logs) | 特定の日時や重要度(エラーのみ等)でログを高速フィルタリング。 |
| ストレージ(Storage) | パーティション作成、LVM管理、NFSマウント、ディスクの故障予兆確認。 |
| ネットワーク(Networking) | IPアドレスの設定、ボンディング、ブリッジ作成、ファイアウォール操作。 |
| アカウント(Accounts) | ユーザー作成、公開鍵の登録、パスワード変更。 |
| サービス(Services) | 起動中のサービス一覧。開始・停止・自動起動の切り替え。 |
| ソフトウェア更新 | アップデートの有無を確認し、ボタン一つで更新・再起動。 |
| ターミナル(Terminal) | ブラウザ上で直接シェルを操作。コピペも可能。 |
| SELinux | SELinuxが原因でブロックされた通信を特定し、解決策を提示してくれる。 |
6. 重要:セキュリティ・ポリシー
「便利であることは、攻撃者にとっても便利である」
このことを忘れてはいけません。Cockpitの管理ポートは、以下の方針で運用してください。
- 外部公開は絶対に禁止:インターネットから直接 9090 ポートにアクセスできるようにしてはいけません。
- LAN内限定での運用:自宅内、社内ネットワーク、または VPN 接続時のみアクセスできるように制限します。
- 不要なときは止める:設定作業が終わったらソケットを止めておくのが最も安全です。
sudo systemctl stop cockpit.socket
7. クイック・チートシート(保存版)
基本操作
systemctl status cockpit.socket # 状態確認
systemctl enable --now cockpit.socket # 有効化
systemctl stop cockpit.socket # 停止
ネットワークポート確認
ss -napt | grep 9090 # 9090番が待ち受けているか確認
SELinux関連のトラブル解決
# Cockpit上のSELinuxメニューからエラー詳細と「解決コマンド」が表示されます
📌 まとめ:このガイドの活用法
このガイドは、「新しいサーバーを立てた直後の初期設定」の際に参照してください。CLI(コマンド)で行った設定が Cockpit 上でどう見えるかを確認することで、Rocky Linux の構造(systemd や NetworkManager 等)への理解がより深まります。