本ページの位置づけ
このページは、自宅ラボの玄関口となる Rocky Linux 9 サーバー(DMZセグメント・172.16.1.2)を、ゼロから構築するための最初の手順書です。専門用語もできるだけかみ砕いて説明していますので、Linuxのインストールが初めての方でも、このページだけで最後まで進められるようになっています。
目次
0. このガイドについて
Rocky Linux 9 は、企業向けLinuxディストリビューションであるRHEL(Red Hat Enterprise Linux)と完全互換のフリーOSです。安定性が高く、長期間(10年間)サポートされるため、自宅サーバーの土台として最適です。
0-1. 準備するもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| インストール先のPC/サーバー機 | 本ページでインストールする対象機。メモリ2GB以上、ディスク20GB以上を推奨 |
| 作業用PC | ISOダウンロードとUSB作成に使う、普段使っているWindows/Mac PC |
| USBメモリ | 8GB以上。中身はすべて消去されるので、空のものか消して良いものを用意 |
| 有線LANケーブル | インストール中のネットワーク設定を単純にするため、無線より有線を推奨 |
0-2. 全体の流れ
作業は大きく分けて6つのSTEPです。①ISO入手 → ②USB作成 → ③USBから起動 → ④インストーラー起動 → ⑤インストール設定 → ⑥初回起動後の基本操作、の順に進みます。
1. Rocky Linux の ISO イメージを入手する
公式サイトへアクセスし、ISOをダウンロードする
作業用PCのブラウザで、Rocky Linux の公式ダウンロードページを開きます。検索エンジンで「Rocky Linux Download」と検索するか、以下のURLに直接アクセスします。
公式サイト: https://rockylinux.org/download
注意:公式サイト以外からダウンロードしない
OSのインストールメディアは、改ざんされたものを掴まされると非常に危険です。必ず公式サイト(rockylinux.org)、またはそこからリンクされている公式ミラーサーバーからのみダウンロードしてください。
通常は最新の安定版である「Rocky Linux 9」を選びます。マイナーバージョン(9.4、9.5 など)はどれを選んでも構いません。迷ったら一覧の一番上(最新)を選べばOKです。
まず、お使いのPCが一般的なIntel/AMD製CPUであれば「x86_64」を選びます。そのうえで、以下の2種類のうちどちらかを選びます。
| 種類 | サイズ目安 | 説明 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| Minimal ISO | 約1.5GB | 最小構成。サーバー用途に必要なものだけを自分で入れていく学習向け | ★★★★★ |
| DVD ISO | 約9GB | デスクトップ環境や各種パッケージを含む。オフラインでも便利だが自宅サーバー用途にはやや過剰 | ★★★★☆ |
ポイント:自宅サーバーには Minimal ISO がベスト
本サイトの他ページ(Caddy、AlmaLinuxのゼロトラスト基盤 等)はすべてCLI(コマンドライン)操作を前提としています。GUI(デスクトップ画面)は不要なうえ、余計なパッケージが動くとその分だけ攻撃対象(セキュリティリスク)も増えます。Minimal ISO を選択してください。
ダウンロードリンクをクリックすると、いくつかのミラー(配布拠点)サーバーの一覧が表示されることがあります。どれを選んでもファイルの中身は同じなので、上から順に試して構いません。ファイルサイズが約1.5GBあるため、回線速度によっては数分〜数十分かかります。
ダウンロード中の通信エラーなどでISOファイルが壊れていると、インストール中に原因不明のエラーが出ることがあります。ダウンロードページに掲載されている「CHECKSUM」(チェックサム)ファイルと突き合わせることで、ファイルが正しくダウンロードできたかを事前に確認できます。
# Windows の PowerShell で実行する場合(ファイルのSHA256を計算)
Get-FileHash "Rocky-9.x-x86_64-minimal.iso" -Algorithm SHA256
# 表示されたハッシュ値が、公式サイトのCHECKSUMファイルに記載された
# 値と一致していればOK(先頭・末尾の数文字だけ見比べれば十分です)
省略しても構いませんが…
このSTEPは必須ではありません。ただし、STEP 5のインストール作業中に原因不明のエラーで止まってしまった場合は、まずこのチェックを行い、ISOを取り直すことをおすすめします。
2. USBブートメディアを作成する(Rufus使用)
ダウンロードしたISOファイルは、そのままではPCにインストールできません。USBメモリに書き込んで「起動可能なメディア」に変換する必要があります。ここではWindows用の無料ツール「Rufus」を使います。
Rufus のダウンロードと準備
公式サイト: https://rufus.ie/
ページ下部にある「rufus-x.x.exe」をクリックすればダウンロードできます。インストール不要で、ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックするだけでそのまま起動できます(Portable版)。
Mac / Linux をお使いの場合
Rufus はWindows専用です。Macの場合は balenaEtcher(https://etcher.balena.io/)、Linuxの場合は同じくbalenaEtcherか、ターミナルから dd コマンドを使う方法があります。以降の手順は基本的な考え方が同じですので、UI名称を読み替えて進めてください。
容量8GB以上のUSBメモリを、作業用PCに挿します。
警告:USB内のデータはすべて消去されます
USBブートメディアを作成すると、そのUSBメモリの中身は完全に消去されます。大切なデータが入っている場合は、必ず別の場所にバックアップしてから作業してください。
Rufusを起動すると設定画面が表示されます。以下の項目を確認・設定してください。
| 項目 | 設定内容 |
|---|---|
| デバイス | 準備したUSBメモリを選択(複数挿している場合は容量やドライブ文字で判別) |
| ブートの種類 | 「選択」ボタンから、ダウンロードしたRocky LinuxのISOファイルを指定 |
| パーティション構成 | GPT(近年のPCはほぼUEFIのためGPTを選択) |
| ターゲットシステム | UEFI(非CSM) |
| ファイルシステム | FAT32(ISOを選ぶと自動設定されることが多い) |
ポイント:ほとんど自動設定でOK
ISOファイルを選択すると、Rufusが内容を解析して推奨設定を自動で入力してくれます。上記の項目が明らかに違う場合だけ手動で直してください。
「スタート」ボタンを押すと、書き込みモードの確認ダイアログ(ISOイメージモード推奨)が出ることがあります。特別な理由がなければ推奨されたモードのままOKを押します。続けて「USB内のデータはすべて破棄されます」という警告が出るので、内容を確認して「OK」を押すと書き込みが始まります。
進捗バーが100%になり、ウィンドウ下部に「準備完了」と表示されたら成功です。
所要時間の目安:5〜15分(USBメモリの速度による)
書き込みが完了したら、Rufusを閉じて、USBメモリを安全に取り外してください(Windowsのタスクトレイから「ハードウェアの安全な取り外し」を使うと安心です)。
3. パソコンをUSBから起動する
BIOS/UEFI画面に入り、起動順序を変更する
作成したUSBメモリを、Rocky Linuxをインストールしたい実機(インストール先のPC/サーバー機)に挿します。電源を入れる、または再起動します。
PCの起動直後(メーカーロゴが表示されている間)に、特定のキーを連打することでBIOS/UEFI設定画面、または一時的な起動先を選べる「Boot Menu(起動メニュー)」に入れます。キーはメーカーによって異なります。
| メーカー | Boot Menu キー | BIOS/UEFI設定 キー |
|---|---|---|
| Dell | F12 | F2 |
| HP | F9 | F10 |
| Lenovo | F12(一部 Fn+F12) | F1 / F2 |
| ASUS | F8 | F2 / Delete |
| 自作PC(マザーボード各社) | F8 / F11 等 | Delete |
ポイント:Boot Menuが一番簡単
BIOS設定を恒久的に変更しなくても、一時的にUSBから起動できる「Boot Menu」を使うのが最も簡単で安全です。インストール後は自動的に内蔵ディスクから起動するようになります。どちらのキーか分からない場合は、起動直後の画面下部に「Press F12 for Boot Menu」のようなヒントが一瞬表示されることが多いので確認してください。
Boot Menuが表示されたら、USBメモリの製品名(例:「Kingston DataTraveler」など)が表示されている項目を矢印キーで選び、Enterを押します。UEFIモードで書き込んだ場合、「UEFI: メーカー名」のように表示されることもあります。
注意:Secure Boot(セキュアブート)について
一部のPCではSecure Bootが有効になっていると、USBからの起動がブロックされる場合があります。起動に失敗する場合は、BIOS/UEFI設定画面の「Security」タブなどからSecure Bootを一時的に「Disabled(無効)」にしてから、再度お試しください。
4. Rocky Linux インストーラーが起動する
起動メニューから「Install」を選択
USBから正常に起動すると、以下のようなテキストメニューが表示されます。
Install Rocky Linux 9
Test this media & install Rocky Linux 9
Troubleshooting ->
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Install Rocky Linux 9 | そのままインストールを開始する(通常はこれを選択) |
| Test this media & install Rocky Linux 9 | ISOファイル自体の破損チェックを行ってからインストールする(時間がかかるが、STEP1のチェックサム確認を省略した場合はこちらでも代用可能) |
| Troubleshooting | 画面が乱れる場合のセーフモードや、旧型グラフィックカード向けの起動オプション |
矢印キーで「Install Rocky Linux 9」を選び、Enterを押します。しばらく(1〜2分程度)画面が真っ暗になったり文字が流れたりしますが、正常な動作ですのでそのまま待ちます。
5. インストール設定(画面ごとの詳細解説)
ここが最も重要な工程です。グラフィカルなインストーラー「Anaconda」が起動し、まず言語選択画面が出たあと、「Installation Summary(インストール概要)」という一覧画面に移動します。この画面から各項目を1つずつ設定していきます。
言語選択
最初に表示される画面で、インストーラー自体の表示言語を選びます。「日本語」でも「English」でも、インストール後のOSの動作に違いはありません。
ポイント:迷ったら English を推奨
サーバー用途では、エラーメッセージが英語のままの方がインターネット上の情報(Stack Overflow、公式ドキュメント等)と照合しやすく、トラブルシューティングが楽になります。ただし日本語のままでも問題なく構築できますので、お好みで選んでください。
言語を選んだら右下の「続行(Continue)」をクリックします。
Installation Summary(インストール概要)画面の見方
言語選択のあとに表示される、Anacondaインストーラーの中心となる画面です。「LOCALIZATION(地域設定)」「SOFTWARE(ソフトウェア)」「SYSTEM(システム)」「USER SETTINGS(ユーザー設定)」の4つのグループに、複数のアイコンが並んでいます。
注意:黄色い警告マークがついている項目は要確認
「Installation Destination(インストール先)」など一部の項目には、初期状態で黄色い三角の警告アイコンが付いています。これは「確認・設定が必要」という意味です。該当する項目をクリックして画面を開き、内容を確認してから「完了(Done)」を押すことで警告が消えます。すべての警告が消えるまで、下部の「Begin Installation(インストールの開始)」ボタンは押せません。
以降、各項目を順番に説明します。
LOCALIZATION(地域設定)グループ
日本語配列キーボードをお使いの場合は「日本語」を追加します。すでに「英語(US)」のみで、実機のキーボードも英語配列であればそのままで構いません。
OSインストール後に使う言語パッケージです。特別な理由がなければ言語選択画面で選んだ言語のままでOKです。
地図から「Tokyo」または一覧から「Asia/Tokyo」を選びます。画面右上のトグルスイッチで「Network Time(ネットワーク時刻)」をONにしておくと、インストール後にNTPで自動的に正確な時刻に同期されます。
プロ技・解説:サーバーで時刻が重要な理由
時刻がずれていると、後々のPhaseで構築するHeadscaleやCaddyのTLS証明書の有効期限判定、ログの時系列確認などに支障が出ます。ここで確実にAsia/Tokyoを設定し、Network Timeを有効にしておくことを強く推奨します。
SYSTEM(システム)グループ
OSをインストールするディスク(SSD/HDD)を選びます。1台しか接続していない場合は、それが自動的に選択された状態で表示されます。
| 設定項目 | 推奨設定 | 説明 |
|---|---|---|
| ディスクの選択 | インストール先の1台にチェック | チェックマークが付いているディスクにインストールされます |
| Storage Configuration(ストレージ設定) | Automatic(自動構成) | 自動構成を選べば、LVM(論理ボリューム管理)で適切にパーティションが切られます |
ポイント:Automatic(自動構成)でLVMになる理由
LVMを使うと、後からディスク容量が不足した場合でも、比較的柔軟にパーティションサイズを拡張できます。学習目的・自宅サーバー用途では自動構成(LVM)で十分ですので、迷ったらAutomaticを選んでください。
選択したら左上の「完了(Done)」をクリックします。
この画面の右上に、ネットワークインターフェース(有線LAN)のON/OFFスイッチがあります。有線LANケーブルを接続していれば、スイッチをONにするだけでDHCPにより自動的にIPアドレスが割り当てられます。
| 設定項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| Ethernet(有線)スイッチ | ON(自動的にDHCPでIPアドレス取得) |
| Host Name(画面左下の入力欄) | rocky9.localdomain など、分かりやすい名前に変更 |
注意:固定IPにしたい場合
最終的にサーバーとして使う場合は固定IPが望ましいですが、この段階ではDHCPのままインストールを完了させ、インストール後にOS側(nmcli や NetworkManager)で固定IPに変更する方法をおすすめします。インストーラー上で設定を間違えると、以降の画面に進めなくなることがあるためです。固定したい場合は、右下の「設定(Configure)」ボタンからIPv4タブを開き、Method を「Manual」にしてアドレス・ネットマスク・ゲートウェイ・DNSを入力してください。
ホスト名を入力したら「適用(Apply)」を押し、続けて左上の「完了(Done)」をクリックします。
特別な業界標準(PCI-DSS等)への準拠が必要でなければ「OFF」のままで問題ありません。SELinux自体はこのポリシーとは別に、OSインストール後も標準で有効(Enforcing)になっています。
SOFTWARE(ソフトウェア)グループ
USBから起動した場合は「Local media(ローカルメディア)」が自動的に選択されています。特に変更は不要です。
Minimal ISOでインストールしている場合は、自動的に「Minimal Install(最小構成)」が選択された状態になっています。右側の「Add-Ons(追加パッケージ)」一覧も、この段階では何も追加せずそのままでOKです。
ポイント:あとから何でも追加できる
この画面で何かを入れ忘れても心配ありません。インストール完了後に sudo dnf install パッケージ名 でいつでも追加できます。むしろ最初は最小構成にしておき、必要なものだけを都度インストールしていく方が、サーバーの見通しが良くなり、セキュリティ的にも安全です。
USER SETTINGS(ユーザー設定)グループ
システム管理者アカウント「root」のパスワードを設定します。8文字以上で、英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた、推測されにくいパスワードにしてください。
注意:弱いパスワードだと「完了」を2回押す必要がある
インストーラーは入力したパスワードの強度を自動判定します。弱いパスワードの場合、上部に赤字で「Weak(弱い)」と表示され、左上の「完了(Done)」ボタンを1回押しただけでは受け付けられません。この場合はもう一度「完了」を押すと「このパスワードのまま続行しますか」という確認が出るので、実運用では強いパスワードへの変更を強く推奨します。設定したパスワードは必ず控えておいてください。
日常的な作業に使う一般ユーザーアカウントを作成します。普段の操作はrootではなく、必ずこの一般ユーザーで行い、必要な時だけsudoで管理者権限を使うのがLinuxサーバー運用の基本です。
| 入力欄 | 説明 |
|---|---|
| Full name(氏名) | 表示用の名前。何を入力しても動作に影響しません(例:adminuser) |
| User name(ユーザー名) | ログインに使う名前。半角英小文字が無難(例:adminuser)。Full nameを入力すると自動補完されます |
| Make this user administrator(管理者にする) | 必ずチェックを入れる(このユーザーがsudoグループに所属し、管理者権限を使えるようになる) |
| Require a password to use this account | チェックを入れる(パスワード無しログインは不可にする) |
| Password / Confirm password | ログインパスワードを入力(rootパスワードとは別のものを推奨) |
重要:「Make this user administrator」に必ずチェック
このチェックを忘れると、作成した一般ユーザーで sudo コマンドが使えなくなり、rootパスワードでログインし直す羽目になります。忘れずにチェックしてください。
インストールの開始と完了
すべての項目から警告アイコンが消えたら、画面右下の「Begin Installation」ボタンが押せるようになります。クリックするとパッケージのコピーが始まります。
進行中の画面でも、先ほど設定し忘れた場合は「Root Password」「User Creation」のリンクからやり直しが可能です。
Minimal Installであれば、通常5〜15分程度で完了します(PCの性能・USBメモリの速度により変動)。進行状況はプログレスバーで確認できます。
「Complete!(完了)」と表示されたら、右下の「Reboot System」ボタンをクリックします。
重要:再起動時にUSBメモリを取り外す
再起動が始まったら、画面に「USBを取り外してください」というメッセージが一瞬表示されるか、自動的に排出処理が行われます。表示されない場合は、再起動中の黒い画面のタイミングでUSBメモリを物理的に取り外してください。取り外さないと、再びインストーラーが起動してしまうことがあります。
6. 初回起動後の基本操作
再起動が完了すると、GUIではなく黒い画面に「rocky9.localdomain login:」のようなテキストのログインプロンプトが表示されます(Minimal Installのため、これが正常な状態です)。
初回ログイン
rocky9.localdomain login: adminuser ← STEP5-6-2で作成したユーザー名
Password: **** ← 同じく設定したパスワード(入力しても画面に表示されません)
ログインに成功すると、シェルのプロンプト([adminuser@rocky9 ~]$ のような表示)が出ます。
ネットワーク疎通の確認
# 自分のIPアドレスを確認する
ip addr show
# 「inet 172.16.1.x」のような行が表示されていればDHCPで正常にIPを取得できています
# インターネットに出られるか確認する
ping -c 4 8.8.8.8
# 名前解決ができるか確認する
ping -c 4 rockylinux.org
ネットワークに繋がらない場合
LANケーブルの挿し忘れ、インストール時にEthernetスイッチをONにし忘れた、といったケースが多いです。nmcli device status でインターフェース名と接続状態(connected/disconnected)を確認し、sudo nmcli connection up 接続名 で有効化できます。
パッケージの更新
インストール直後は必ずシステム全体を最新の状態に更新します。ここからは管理者権限(sudo)を使うため、パスワードの入力を求められます。
sudo dnf update -y
# 更新後、カーネル更新が含まれていた場合は再起動しておくと安全
sudo reboot
基本ツールのインストール
以降の構築作業(本サイトの各ページ)で使用する基本的なコマンドラインツールをまとめて入れておきます。
sudo dnf install -y vim wget curl net-tools git tar
| ツール | 用途 |
|---|---|
| vim | 設定ファイルの編集(テキストエディタ) |
| wget / curl | ファイルのダウンロードや動作確認(HTTP通信のテスト) |
| net-tools | ifconfig 等の旧来のネットワークコマンド一式 |
| git | 設定ファイルのバージョン管理や、リポジトリからの取得 |
SSH(リモート接続)の確認
今後はこの黒い画面(コンソール)ではなく、作業用PCからSSHで接続して作業するのが基本です。SSHサーバーが正常に動作しているか確認します。
sudo systemctl status sshd
# Active: active (running) と表示されていればOK
確認できたら、作業用PCのターミナル(Windowsの場合はPowerShellやWindows Terminal)から接続できます。
# 作業用PCから実行
ssh adminuser@172.16.1.2
# 初回接続時は「fingerprintを信用しますか」と聞かれるので yes と入力
ファイアウォールとSELinuxの状態確認
Rocky Linuxはインストール直後から firewalld(ファイアウォール)とSELinux(強制アクセス制御)が有効になっています。これは正常かつ推奨される初期状態です。今の時点では無効化せず、状態だけ確認しておきます。
# ファイアウォールの状態確認
sudo systemctl status firewalld
sudo firewall-cmd --list-all
# SELinuxの状態確認
getenforce
# 「Enforcing」と表示されればOK(標準の安全な状態)
プロ技・解説:無効化せず「許可ルールを追加」する運用を
一部の解説記事では「トラブルを避けるためfirewalldやSELinuxを無効化する」という説明を見かけることがありますが、自宅サーバーであっても推奨しません。本サイトの他ページ(Caddy構築等)で紹介しているように、firewall-cmd --add-service= や restorecon といったコマンドで、必要な通信だけを個別に許可していく運用が安全です。
タイムゾーンとNTP同期の最終確認
# 現在時刻とタイムゾーンの確認
timedatectl
# 「Time zone: Asia/Tokyo」「NTP service: active」となっていればOK
# なっていない場合は以下で設定する
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
sudo timedatectl set-ntp true
6-8. STEP6 完了チェックリスト
- 作成した一般ユーザーでログインできるrocky9.localdomain login: → ログイン成功
- IPアドレスが取得できているip addr show → inet 172.16.1.x が表示される
- インターネットに疎通できるping -c 4 8.8.8.8 → 応答あり
- dnf update が正常に完了しているsudo dnf update -y → エラーなく完了
- SSHで作業用PCから接続できるssh ユーザー名@172.16.1.2 → 接続成功
- firewalldが有効になっているsudo systemctl status firewalld → active (running)
- SELinuxがEnforcingになっているgetenforce → Enforcing
- タイムゾーンがAsia/Tokyoになっているtimedatectl → Time zone: Asia/Tokyo
7. よくあるトラブルと対処法
7-1. USBメモリから起動しない・Boot Menuに出てこない
考えられる原因と対処
- USBメモリの作成に失敗している → Rufusで再度作成し直す(別のUSBポート・別のUSBメモリでも試す)
- BIOS/UEFI側でUSBブートが無効になっている → BIOS設定内の「Boot」タブでUSB Bootが有効か確認する
- Secure Bootが有効でブロックされている → BIOS/UEFI設定でSecure Bootを一時的に無効化する
- PCが古く、GPT/UEFIに対応していない → RufusでMBR/BIOS(Legacy)モードに切り替えて作成し直す
7-2. インストール先にディスクが表示されない
考えられる原因と対処
RAIDコントローラーを積んだサーバー機の場合、標準のドライバでは認識されないことがあります。BIOS側でSATA動作モードを「AHCI」に変更する、または起動メニューの「Troubleshooting」からドライバディスクを読み込む方法を試してください。
7-3. ネットワークにインストール中つながらない
考えられる原因と対処
- LANケーブルが挿さっていない、またはスイッチ/ルーター側のポートが無効 → 配線と対向ポートを確認
- Network & Host Name画面でEthernetスイッチがOFFのまま → 画面右上のスイッチをONにする
- DHCPサーバー(ルーター)から払い出し可能なIPが枯渇している → ルーター側のDHCP払い出し範囲を確認
7-4. rootパスワード/ユーザーパスワードを忘れた
対処方法(GRUBからのパスワードリセット)
起動時のGRUBメニューでカーネル行を編集し、rd.break を追加してシングルユーザーモードで起動 → ファイルシステムをrwで再マウント → chroot /sysroot → passwd でパスワードを再設定、という手順でリセットできます。この手順は物理アクセスできる人なら誰でもパスワードを変更できてしまうことを意味するため、サーバーの設置場所の物理セキュリティ(施錠された部屋等)も合わせて意識してください。
7-5. SSHで接続できない
考えられる原因と対処
- firewalldでSSH(22番ポート)がブロックされている → デフォルトでは許可されていますが、
sudo firewall-cmd --list-servicesで ssh が含まれているか確認 - 作業用PCとサーバーが違うネットワークセグメントにいる → 同じLAN内、またはルーティングが通っているか確認
- sshdサービスが起動していない →
sudo systemctl start sshdで起動し、sudo systemctl enable sshdで自動起動を有効化
8. 次のステップへ
Rocky Linux 9 の導入が完了しました
OSの基盤ができたので、次はこのRocky Linux上にWeb/メールサーバーやCaddyリバースプロキシなど、実際のサービスを構築していきます。トップページの「Rocky Linux 9」セクションから、続きの構築記録をご覧ください。