本ページの位置づけ
「SPF/DKIM/DMARC検証記録(送信編)」が「自宅サーバーから送ったメールをGmailがどう検証したか」だったのに対し、本ページは逆方向、「Gmailから届いたメールを自宅サーバーがどう検証したか」を確認します。送信者名・メールアドレスは「ABC」に置き換えています。
目次
1. はじめに(今回の受信ルート)
今回のテストは、外部(Gmail)から自宅サーバー宛てに送信されたメールの検証です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 送信元(From) | ABC@gmail.com |
| 宛先(To) | ABC@yama.mydns.jp |
| 受信サーバー | mail.yama.mydns.jp(独自構築したPostfix環境) |
自宅サーバーに導入された Postfix、OpenDKIM、および OpenDMARC が協調して動作し、相手(Gmail)が本物であるかを判定した形跡がヘッダーから読み取れます。
2. 検証対象のメールヘッダー(抜粋)
受信サーバー側で検証され、追加されたヘッダー行を中心に抜粋しています。
Return-Path: <ABC@gmail.com>
X-Original-To: ABC@yama.mydns.jp
Delivered-To: ABC@yama.mydns.jp
Received-SPF: Pass (mailfrom) identity=mailfrom; client-ip=209.85.167.52; helo=mail-lf1-f52.google.com;
envelope-from=ABC@gmail.com; receiver=<UNKNOWN>
DMARC-Filter: OpenDMARC Filter v1.4.2 mail.yama.mydns.jp A9E034043C9F
Authentication-Results: mail.yama.mydns.jp; dmarc=pass (p=none dis=none) header.from=gmail.com
Authentication-Results: mail.yama.mydns.jp; spf=pass smtp.mailfrom=gmail.com
DKIM-Filter: OpenDKIM Filter v2.11.0 mail.yama.mydns.jp A9E034043C9F
Authentication-Results: mail.yama.mydns.jp;
dkim=pass (2048-bit key, unprotected) header.d=gmail.com header.i=@gmail.com header.a=rsa-sha256
header.s=20251104 header.b=jbq1mMi9
Received: from mail-lf1-f52.google.com (mail-lf1-f52.google.com [209.85.167.52])
by mail.yama.mydns.jp (Postfix) with ESMTP id A9E034043C9F
for <ABC@yama.mydns.jp>; Sun, 14 Jun 2026 09:29:37 +0900 (JST)
DKIM-Signature: v=1; a=rsa-sha256; c=relaxed/relaxed;
d=gmail.com; s=20251104; ...
From: ABC <ABC@gmail.com>
To: "ABC" <ABC@yama.mydns.jp>
3-1. SPF(Sender Policy Framework)の検証
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認証結果 | PASS spf=pass |
| 送信IPアドレス | 209.85.167.52(mail-lf1-f52.google.com) |
| 検証を行ったヘッダー | Received-SPF |
自宅サーバーでの処理
メールが届いた際、PostfixのSPF検証機構が、接続してきたIPアドレス 209.85.167.52 を確認しました。
次に、送信元ドメイン gmail.com のDNSに登録されている「SPFレコード(送信許可リスト)」をインターネット経由で照合し、このIPアドレスがGoogleの正規サーバーリストに含まれていることを確認したため、Received-SPF: Pass(合格)を記録しました。
3-2. DKIM(DomainKeys Identified Mail)の検証
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認証結果 | PASS dkim=pass |
| 検証を行ったプログラム | OpenDKIM Filter v2.11.0 |
| 検証内容 | 2048ビットの鍵(アルゴリズム: rsa-sha256、セレクタ: 20251104)による検証 |
自宅サーバーでの処理
自宅サーバーに導入されている「OpenDKIM」が動作しました。
届いたメールヘッダーにある DKIM-Signature(署名)を確認し、署名ドメインである gmail.com のDNSサーバーから公開鍵(セレクタ:20251104)を取得しました。
この鍵を用いて、届いたメール本文やヘッダーが途中で改ざんされていないかを数学的に検証し、一致したため dkim=pass(合格)と記録しました。
3-3. DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)の検証
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認証結果 | PASS dmarc=pass |
| 検証を行ったプログラム | OpenDMARC Filter v1.4.2 |
| DMARCポリシー | p=none(Google側が宣言している、認証失敗時の推奨アクション「何もしない」を確認) |
自宅サーバーでの処理
自宅サーバーに導入されている「OpenDMARC」が動作しました。
表示上の送信元(Fromドメイン:gmail.com)が、これまでに検証した「SPF」および「DKIM」のドメインと矛盾していないか(アライメント)を確認します。
- SPFアライメント:Fromドメイン(
gmail.com)と、SPFで検証したエンベロープFromドメイン(gmail.com)が一致 → 成功 - DKIMアライメント:Fromドメイン(
gmail.com)と、DKIM署名の作成ドメイン(gmail.com)が一致 → 成功
両方のアライメントが完全に一致し、各認証もPASSしているため、なりすましは「なし」と判断して dmarc=pass(合格)を記録しました。
4. 技術アーカイブとしての意義とまとめ
今回のログから、構築したメールサーバー(mail.yama.mydns.jp)が単にメールを受け取るだけでなく、自前のシステム構成(Postfix + OpenDKIM + OpenDMARC)を用いて、外部から届くメールを厳格にセキュリティチェックできていることが実証されています。
- 受信側の立場としての動作確認:送信側のDNSレコードを参照しにいき、自サーバー内で署名の暗号解読やアライメント判定をエラーなく実行できている
- 判定結果の集約:自サーバー自身が
Authentication-Results: mail.yama.mydns.jp; ...という「セキュリティ採点表」をヘッダーに正しく書き込めているため、スパムフィルター等の次の処理へ安全にデータを渡す基盤が整っている
送信・受信の両方向でPASSを確認完了 🎉
Gmail→自宅サーバー、自宅サーバー→Gmailの双方向で送信ドメイン認証が正しく機能していることを確認できました。SPFとDMARCアライメントの違いについては「SPFのPASSとDMARCアライメントの違い」もあわせてご参照ください。